- 今年は、去年に比べて、いずれの収入クラスにおいても平均収入が上がりました!
- 先月に比べて、学年全体でテストの平均点数が上がった!
- バスケ部で、課題だったシュートの平均成功率が上がった!
100人いたら100人は「良かったね」って言うだろうし、1000人いても998人くらいは同じ感想になるであろう上記のケース。
これ、本当に「みんなの成績や収入が上がった」ことが原因で平均がアップしてるなら確かに「良かったね」で終わるんだけど、
実はこの平均アップ、「上がっていないどころか、みんな下がったときでも平均は上がる」ことがあったりする。
「いや、数字が落ちてんのにどうやって平均上げるんだよww」
と思うかもだけれど、1つだけこれを可能にする方法があって。
ソレが平均を下げてる人を消すなワケ。こわいね。私は毎回突き落とされる側だよ。
グズが消えると平均伸びる
扇動動画や記事のタイトルかってくらい最高に最低な言い方だけど、まぁこういうこと。
平均を下げているグズを消すだけで、他の人がそのまま、なんなら少しぐらい下がったとしても、平均は上がっちゃうんだ。
たとえば、「シュートの練習をするバスケ部」を例にしましょ。
で、A君~F君が、「シュート10本放ってゴールの成功率を出す」感じのゲームをしたとする。で、結果がこんな感じだとする。
チームメイト | シュート10本の成功数 |
A | 9本 |
B | 8本 |
C | 8本 |
D | 7本 |
E | 7本 |
F | 1本 |
このとき、チーム全体での成功率は66%になる(40/60)ね。
そして翌日、F君が休んだ。でも練習はあるので、同じことをワンモア。この日の結果は、こう。
チームメイト | シュート10本の成功数 |
A | 8本 |
B | 7本 |
C | 7本 |
D | 6本 |
E | 6本 |
さて、A~Eの全員が、昨日より成功数が1本ずつ減っている。
けれど、成功率は68%になった(34/50)ね。
こんな具合に、平均を下げている人がいなくなると、たとえ他の人の成績すら下がったとしても、全体の平均は上がっちゃうワケだ。
噓をつく人はなんとやら
よく、「数字は嘘をつかないけれど、噓をつく人は数字を使う」みたいなことが言われる。
この平均の仕組みも、よく利用される例だね。
具体的にどう使われるって? そうだねーたとえば……
- 予備校や塾が、世間にアピールしたいときに、平均下げてる子を辞めさせることで「ウチはこんだけ平均点上がってます!」って言える
- 会社で、営業成績悪い人が辞めると売上平均額が伸びる。株主総会とかで使うのかな
- 政府が、年収を「300万~400万」とか「600万~700万」みたいな分け方をして全体的に上がってる(から景気政策は上手くいっている)アピールできる
こんな? 感じ? まぁ実際に使われてるかはどうかはさておき、「よく確認しない人」は割とカンタンに騙せそうだよね。
平均の見方
こんな具合に、平均って色んな人にとって便利に使えるから、数字をある一定の側面だけ切り取って大声でアピってるのを見たら疑ってかかるの、大事だね。
平均に限らず、分母と割合とかもね。
「新薬投与で体調不良者が1,500人も!(何千万人に打ってて不具合率0.01%未満程度なので、実際は超優秀なお薬)」
「選挙で若者は0.2%しか投票率伸びていない! 意識が低い!(実際は500万人以上投票数増えているのでガッツリ成果出てる)」
みたいな。
しっかし数字って複雑に見えるね。金勘定なら余裕でイケるんだけどなぁ! 数字は全部単位が円になればいいよ。よくない。
ではまたっ